マンガ狂につける薬
このマンガがすごい―83ジャンル1000作品を厳選紹介 (別冊宝島 (257))
この二冊を漫画の大海を渡る羅針盤に買っては読み買っては読み・・・
長い迷走の末、気が付いた頃には古本屋に。取り返しの付かないことになっていました。
(まだ迷走が終わってない気がするのが実に微妙です)
ちなみに店主をこの世界に引き入れたこの二冊は初版で持っており、読み込みすぎてボロボロです。
呉智英夫子を導かれし者としては当然の如く、映画化で知った人よりはかなり早い段階で「自虐の詩」は読んでいます。
初めて読んだときはそりゃあもう、ダダ泣きですよ。涙が滝のよう。
導きを受け奇跡を目の当たりにした信者の義務として、布教は欠かせません。
しかし、自分としてはそうしたいのだけども、あまりできない。
それは何故か?
この作品、極めて語りづらいのです。
「自虐の詩」は確かに泣けます。泣ける作品としては最強の部類。これは事実だけど、それじゃ余りにも安い。
さまざまな人々が織り成す「四コマ大河人生劇場」なんて言い方もできるけど、これも安すぎる。
この作品の持つ質量と熱量はとてつもなく巨大で、その手の俗っぽさを拒否する何かがあります。
じゃあ、哲学マンガ?
確かに、クライマックスにおいて宗教的とも言えるような「生に対するある断定と決断」へ5年に及ぶ連載は一気に!そして見事に!収斂されていきます。
仮にここにその「断定と決断」とやらを文字起こししたとしても、伝わるものは皆無でしょう。
哲学マンガでは収まらない。
じゃあ、読んだ人にしか経験できないあの滂沱の涙はいったい何?
BSマンガ夜話「自虐の詩」
ある日、見つけたYOU TUBEです。
開祖 呉智英夫子が出演しているじゃないですか、大月隆寛さん、いしかわじゅんさん、夢枕獏さん、そして、若かりし日の岡田斗司夫さんまで!名立たる賢者の皆さんです。
「これは! オレが知りたかったこと。『自虐の詩』は何故ゆえにあれほどまでに感動するのか? 謎が解けるのではないのか?!」
インターネットって便利ものですね。
ドキドキしながら見てたんですが、あれ一向に・・・
それどころか岡田斗司夫さんなんかはのっけから「いいのは分かるんだけど、どう薦めればいいのか分からない」を連呼。
呉智英夫子をはじめとするおっさんどもは「あの場面がいい!、この場面がいい!」と盛り上るばかり。
本質論が全然皆無!
「これじゃ、何もわからねぇ・・・」と思いつつでも、店主はちょっと安心しました。
大いなる感動、それ自体は事実。でも、それが自虐の詩の何に起因するか? それはみんな分からないようです。
「オレだけじゃなかった!」
でも、ヒントとなるようなことは岡田斗司夫さんからいただけました。
曰く「渦中にいる人は感動できない」
「嗚呼、そう!」
みんな、母親から生まれてきた。最初の瞬間は祝福されてこの世に生まれてきた。なのに、嗚呼、何故に?
続く(と思う)

